インフラ構築とシステム運用

サーバを構築した時、1回目は失敗したが、何も変わらないのに2回目には成功した経験は有りませんか。

研究のためにサーバを成功・失敗にかかわらず何回も構築すると面白い事がわかります。

構築中の各ポイントで完了までの時間を計測すると、同じ事を実行しているはずなのに経過時間は異なります。

これは一体何を意味しているのでしょう。

サーバは、多数の部品が組み合わされたシステムです。システムの部品は電子回路や機械部品で構成されています。

それぞれ状態を持ち、他の部品と協調して動作し、全体として意味のある動作になります。

つまり、部品には品質のばらつきが有るので、部品と部品が連携するためには、タイミングと余裕が重要です。

余裕の例としては、歯車の歯は先端部分が少し丸みを帯びていて噛み合う隣の歯車との間に隙間が出来ます。これが隙間が無くがっちりと噛み合っていると歯車は回転出来ません。

また隙間が大きすぎてもうまく回転が伝わりません。車のファンベルトのゆるみも大きすぎず小さすぎずが動力の伝達には重要です。

外界からの影響(電源電圧、筐体内温度、振動等)で各構築時にうまく連携出来ない時が有るのです。

0と1からなる純粋なデジタルの世界では無く、品質・タイミング・余裕・外乱等のアナログの世界の上に構築された疑似デジタルの世界なのです。

同様に構築後の運用時にも動作不良が起きる事が有ります。システムは生命体のようなものです。

インフラ構築が成功したかどうかは、どれだけたくさん同じようなサーバを構築したかによって判断できます。

またシステムの運用は、日頃どのような動きをしているかをしっかり把握しておき、通常とは異なる状況になっていることを素早く見極める事が大切です。

インフラ構築は数が勝負。システム運用は日頃の観察が勝負という事です。

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